電話や出動時の対応方法について

訪問看護では、在宅患者やその家族が困ったときに電話で看護師を呼び出せる、オンコールというシステムがあります。訪問看護でオンコールを採用している場合、訪問看護師には月に多くて8回ほどのオンコール待機が求められるでしょう。オンコールの待機時間は、主に夜間です。オンコール担当の看護師は、自宅で枕元に携帯電話を置き、仮眠を取りながら緊急電話に備えることになります。患者からのオンコールは不眠や不安に関する相談が圧倒的に多く、緊急性が高い案件はあまり多くありません。

こうした電話を邪険にして打ち切ることはできませんが、長々と話し込むのも問題です。要点だけ聞き出し、後日でも構わない内容についてはその場で取り合わないようにしましょう。患者の訴えを一通り聞いたら、看護師から積極的に解決策を提案して、患者が理解できたら電話を終わらせることが大切です。命に関わることでなければ、できる限り短時間で切ることが望ましいものの、患者が不愉快に思わないよう気をつけなければなりません。

もし、緊急性を要するオンコールなら、診療に必要な道具を持ってただちに患者のもとへ駆けつけることが必要です。患者の容態によって持参する道具はさまざまで、迅速に移動するためにはできる限り持ち物を減らさなければいけません。そこで、可能な限り患者宅にある物を使用することが望ましいと言えます。たとえば、爪切りやガーゼをはじめ、体温計や血圧計など、訪問先の家にある道具をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。